HPVワクチン
~お子様を子宮頸がんの脅威から守るために~
HPVワクチンを、ぜひ受けてください
地域の皆さまへ、今回は少し強い言葉でお伝えします。
日本では、毎年およそ1万人が子宮頸がんと診断され、約3,000人が亡くなっています。
他のがんに比べ比較的若年女性にも発症するため、「マザーキラー」とも呼ばれています。
その主な原因が、HPV(ヒトパピローマウイルス)です。HPVは多くの人が生涯に一度は感染する可能性のある、ごく身近なウイルスです。
HPVワクチンは「がんを防ぐワクチン」です
現在、定期接種で使用されている9価HPVワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの約80~90%を予防するとされています。
すでに接種が広く行われている国では、子宮頸がんになる前の病変だけでなく、子宮頸がんそのものが減少していることも確認されています。
接種できる時期を逃さないでください
小学6年生から高校1年生相当の女子は、定期接種として公費、つまり無料で接種できます(自費で接種した場合にはおよそ5~9万円かかります)。
15歳になるまでに1回目を接種した場合は原則2回、15歳になってから開始した場合は原則3回の接種が必要です。
もちろん、接種は強制ではなく、ご本人と保護者の方が効果と副反応について理解したうえで選択するものです。
そのうえで、医学的な利益とリスクを比較し、当院ではHPVワクチンの接種を強くおすすめします。
将来の子宮頸がんを防ぐために、今できる予防をどうか、先送りにしないでください。お願いします。
接種するか迷っている方は、接種を見送る前に、ぜひ一度ご相談ください。
副反応が心配な方へ
接種した部分の痛みや腫れは比較的よくみられますが、多くは数日以内に治まります。
年齢的な側面もありますが、注射への緊張や痛みをきっかけに気分が悪くなったり、立ちくらみのように失神したりすることもあります。
過去には、接種後の長引く痛みや手足の動かしにくさなどがマスコミによってセンセーショナルに報道され、接種に不安を感じている方もいらっしゃると思います。
名古屋市が実施した大規模調査では、約3万人もの女性から回答を得て、痛み、頭痛、疲労感、運動障害など24種類の症状を調査しました。
その結果、HPVワクチンを接種した人で、これらの症状が有意に多くなることは確認されませんでした。
接種後に体調の変化があった場合には、因果関係の有無にかかわらず、適切に診察し、必要な対応を行うことが大切です。不安や気になる症状があるときは、遠慮なくご相談ください。
※HPVワクチンですべての子宮頸がんを予防できるわけではありません。ワクチンを接種した方も、20歳以降は定期的に子宮頸がん検診を受けることが重要です。
参考資料
-
厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」
-
国立がん研究センター「子宮頸がんとHPVワクチンについて」
-
Suzuki S, Hosono A. No association between HPV vaccine and reported post-vaccination symptoms in Japanese young women: Results of the Nagoya study. Papillomavirus Research. 2018.
